文 林 通 信

La première qualité du style, c'est la clarté. Aristote

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ある朝のしずけさ

ねぎと生姜の炒めたものに、豆乳をそそぎ、あたため、 わたしはちいさなキウイを、刃(は)がギザギザになっている小型ナイフで 半分に切り、青い柄(え)のついた大きなスプーンで すくってたべる まん中下の軸にひっかかる スプーンですくえない果実の中央 わ…

「豪奢である」とは、何か

「豪奢である」とは、何でしょうか。好きなものを思う存分もつことができ、贅沢できるということ。そのめぐまれた特異な環境、地位、身分ー。 物質的な過剰さにたいして、多くのひとは蔑みとあこがれという相反する感情を本能的に抱くのではないでしょうか。…

Musée Jacquemart-André その2

螺旋階段、植物、石像でできた奇妙な楽園 ひかりのもとへ、あらんことを 階段の上から、下から、気づかぬうちに誰かが見ている 絵画とともに、受難へのみちびき 石像や絵画、そして階段までもが、言葉を発せずに、なにかを語りかけてくる。エッケ・ホモ、こ…

Musée Jacquemart-André その1

もとはジャックマールアンドレとかいう資産家かなにかの個人邸宅で、かれはイタリア宗教画のコレクターだったとか。 詳しくは知らないが、その実にみごとな建築様式および室内様式にはぐうの音もでなかった。 玄関先のお庭からしてエステティック お茶できま…

シャオチンの場合

「祖国に戻ったって、残された道はひとつだけ。与えられた仕事をして稼いで、好きなものを買うだけ。それならこっちで、思う存分に挑戦した方がずっといい!!」 これは中国からパリにやってきた、シャオチンのことばだ。私たちはパリカトリック大学で同じ講…

プルタルコスの森

Les buveurs, après avoir étanché leur soif, s’amusent à regarder les ciselures qui ornent le bas des coupes et les retournent à dessein. De même, lorsque notre apprenti sera repu d’idées philosophiques, il pourra reprendre haleine : on lui…

一枚の膜のうしろを覗きこむ

わたしたちは、考えなければならないだろう 一枚の写真の、一つの文章の奥にあるものを 感じとらねばならないだろう そんな訳で、何がなんでもむしゃくしゃ写真を撮って おさめればよい、という話ではないという気がしてきた わたしの中には、ルポルタージュ…

Dieter Roth

エクテ・アンコール

森のなかを、歩く。黄緑色の涙を流しながら。 子供を抱き、あやすときにはその子の耳に寄り添い、老師を愛し、そのことばをよく聴くようおどけて話したものだ。その子は大人になり、温かさを求めて青い光のなかへと飛び立った。あれ以来、彼が戻ることは二度…

つれづれ街歩き

Bioは、ものすごく人気だ 本当においしいワインにはフロマージュとソシソンが欠かせない チキンは黄色いほうがbioに近い なぜならトウモロコシを食べた証拠だから 黄色くないのは、人工のエサで育てられた可能性もある それも一概には、決めつけられないが …

Vitra

日本風とヨーロッパ風の融合がモダンと見做される ヨーロッパに巻き起こる、Vitra旋風 椅子の、座りごこちのよさ 二行目左の赤い空間を除いてすべて、パリのVitra officeの写真。個人的には、パリのアパルトマンには、すこしデコラティフすぎるインテリアな…

植物とシネマ

成瀬をこれぞとばかりに、見る

まいにち、雨

このあいだまであった夏の日々 ここ最近は、まいにちが雨 雨がやむと、秋晴れ。学校にて

群青とひかりの街

たわわに実るノクターン よく通う本屋Compagnie よるはべつの姿 都市生活は、ひかりのなかに