出来ごとは、ときに人の心を翻弄し
戸惑わせるけれども
すべてが人の知性でもって解決できるわけではない
この限られた世界のなかに
無限の時の流れが横たわっていて
それに決して抗うことができないのと同じこと
そんな時には「待つこと」が最大の努めとなる
砂時計の砂が、一粒たりとも残されずに
流れ落ちていくように
雨粒が滞ることなく、葉上を滑らかに
すべり落ちていくように
平穏がふたたび根を下ろし、大地にすこやかな力が
みなぎるのを待ちわびる
待つこと 歩みを遅めること
つよく吹き荒れる風を見送ること
おだやかな春を望み、静かに手を重ねること